皆さんは音楽の演奏において、セッションという言葉をきいたことがあるでしょうか?バンドというのは規定のメンバーがいて、それぞれの担当楽器があり、決まった楽曲をみんなで練習して、ライブ等で演奏する形態です。セッションは、不特定のメンバーがある楽曲またはコード進行に沿って、その場限りで一緒に演奏することです。たいていの場合は初対面で、お互い名前や年齢、職業、性格、どこに住んでいるのかも知らないのですが、知らない者同士で一緒に1つのものを仕上げる、1つの事を成し遂げるというのは、日常の社会生活ではなかなかないことだと思います。お互いのことをほとんど知らないからこそ、単に楽器でのみ会話をして、同じ楽しい時間を共有する、というのが非常に素晴らしいと感じています。演奏中は目配せでソロを回す、相手がいいプレイであれば笑顔を返す、終わった後は、音楽談義に興じるというコミュニケーションをとることもあります。しかし多くの場合、出番が終われば「またどこかで会いましょう」といって挨拶のみをかわして別れてゆきます。非常にあっさりとした関係です。
学校や職場、地域社会さらには家庭の中でさえも、人との関わりにおいては様々な気遣いや責任、しがらみなどがついて回ります。そういったものを煩わしいと思う反面、そのおかげで助けられる事も多々あるので、避けては生きていけないのは事実です。しかし、そういったものばかりであると、人間は疲れてしまうのではないかと思います。そんな時、私にとってセッションは非常によい気分転換になっているのです。次回は対局に位置する、バンドという形態について話したいと思います。
もんた&ブラザース等で活躍した高橋マコトさんと。エリック・クラプトン セッションにて。こういった、プロの方と私のようなアマチュアが一緒にできてしまうのもセッションの醍醐味。